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井上靖「闘牛・猟銃」

私は中谷美紀さん主演の「猟銃」という舞台をより愉しむために井上靖さんの原作本を手にとりました。

女性が男性に対して愛されたいと思うのか、愛したいと思うのか、立場でもなく、出会いのタイミングでもなく・・・複雑でもあり、シンプルでもあり・・・、香りと苦みを同時に味あうことができる春野菜のような口当たり。

計り知れない、深さと奥行きのある感覚と想いがつづられた短編小説でした。

舞台ではとてもシンプルで、大げさなものもまったくなく、情景を想像し愉しむことを助けるための水の音や石の音を活かした演出が素晴らしかったです。

観進めていくなかで自分が試されているような気持になったのは束の間、自分が持ち合わせている想像力と創造力を精一杯発揮しながらのめりこむ感覚をたのしみました、最後まで瞬きするのがもったいないとすら思ったくらい見入ってしまいました。

おおよそ100分、中谷美紀さんのセリフと演技力を井上靖さんがご覧になられたらなんとおっしゃったのだろうと・・・いっしょに舞台を観た友人とシャンパンとともに余韻を愉しみました。

春の陽気とシャンパンの泡が舞台の余韻にはとてもマッチしていました!
久々の舞台、小説との出会い、とても贅沢な時間でした。

この余韻をもうしばらく愉しみたい、そんな欲求にかられています、井上靖さんの世界観にもう少し触れていたい・・・。

by moshimuku | 2016-04-11 23:26 | Book report | Comments(0)
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